基本的な米株のオプション取引とその基本にある株式のトレンド確認方法について説明してきました。
いよいよ明日から、オプション取引実施です。
今までの総復習と、銘柄選定の考え方を纏めました。生徒と同様の疑問を持っている方もおられると想定できるため、口語のやり取りでまとめました。
総復習が必要ない方、特に、Shortを株やFXなどで実施して、Put Option売りを説明できる方はその部分を読み飛ばしても良いです。
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生徒
高校2年生
投入可能資金 約2000$
経済・経営関連の学部志望
大学に入ったらバイト代わりに稼ぐ効率が良さそうなオプションを勉強したい。
投資経験: 2回。任天堂株を高値で買って塩漬けし、値上がりで利確(親は損切)、コロナワクチン株Call Optionを買って不発で満期来て全損。
オプション取引に関する総復習
いよいよ明日からオプション取引実施だ。最初は、Put売り(Cash Secured Put)らかだったね。では、基本の確認を一応するよ。Put オプション買いって株が上がったら儲かる?それとも下がったら儲かる?
生徒: 下がった場合かな??
「かな」でなく、基本事項なので完全に頭に入れる必要があるよ。下がった場合だ。ではなぜ??
生徒: ...........
(そのあと、既に説明したことを繰り返すが、なかなかわからなく、応答が続く)
株価が100$の時に、100$ Putを売るんだっけ? 買うんだっけ?
生徒: たしか、売る...
なぜ売るんだっけ?
生徒: ........
では、買う人はなぜ買うんだっけ? 下がったら儲かると思うから買うんだよね。
100$の株価の銘柄、例えば、QS(Qantumscape)の100$Putを買うという事は、100$以下になり儲かると思うから買うんだったよね。
たとえば、これを買った後に株価が100$から90$まで下がったら、90$時点の時点(満期の時と仮定) 100$でQS株を売る権利を持っているんだよね。つまり90$でその時株をマーケットで買って、100$で売ると、
100$- 90$ = 10$
儲かる訳だ。実際は100倍なので、1000$の利益になる。
オプションというのは権利の売買をしている。買い手は権利を持っており、売り手は義務を負う。
買い手は、Putの場合は、売る権利を持っており、売り手は、売られて引き取る(買う)義務を負う。
では、株でも同様に「売り」から入る事が信用取引でできるんだけど、なぜこの複雑なオプションの売買をするんだっかたな?
生徒: ...........
株の場合は、100$の時、100$で売りをかけると、例えば、50$まで下がると損失は50%だよね。だけど、オプションはPut 100を売る権利が10$だった場合は、損失は、その権利が消えるだけで、最大は支払った10$で済む。つまり損失限定というメリットがあるから。
ではなぜオプションはなぜ買うんでなくて売るんだっけ?
生徒: ...........
別の聞き方をするよ。オプションの特性って何だった?
生徒: 時間的、期待的価値がさがる。特に最後の期間が急に下がる。
そうだったねオプションの特性は良く理解している。オプションは株価が同じだったら、値段が下がる特性があったんだね。繰り返すけど、値段が下がる物は買うんだったけ?売るんだったけ?
生徒: 売る。
そう、だから、オプション売買では、買い手でなく売り手になるんだったよね。
もし上げ下げや変化せずの確率が同じだったら、株の場合は挙がった時が利益なので、勝率は1/3。ところがオプション売りは、株が上がるか、変化せずの場合が利益なので、勝率は2/3。また下がったとしても、オプションのプレミア料をもらっている分だけ、損も少ない。
ただ、その中でもなるべく利益の大きな銘柄を探す必要がある。その条件として、
- 株価が下がり続ける物を選ばない事。
- 年利が高い
1の株価が下がり続ける物を選んだら、いくらオプション売買でも損失が確定する。下がり続ける期間は例えば、1~3ヵ月連続など。その場合でもその後上昇すれは良いけど。
2の年利が高いというのは、3つの確認方法がある。
1)利回り計算をすること, 2)IV(Implied Volatility)を確認する事、3)HV(Histrical Volatility)を確認する事
Volatilityというのは、「変動性」
まずは簡単なのは、TradingviewでHVを確認する方法。例えば、TWTR株では、以下のように、
HV = 26.5
この値は自分の場合は、100以上を良しとしているので、低いね。つまり利益率が小さいとほぼわかる。
これに対して、QS株は、HVはなんと307。この値を見た時には、「千載一遇のチャンスかもしれない」と思った。
実際、結果としてはかなりの爆益だったが、それは株価のチャートだけでなく、まずHVを確認して、「Option売買に有利な状況があるか?」という、Option売買独自の視点だ。
この視点がある事がオプション売買をする上でのさらなる有利な状況をもたらす。
それでは、具体的にこの二つの株の年利を計算してみよう。
TWTR株は、今53.97$で、At the Money(ATM)すなわち株価に近いPut オプションは、
0.96$で取引された。
これ12/31期限なので、4日物。つまり一週間の4/5
資金は、54$分必要。100倍するんだったね。つまり54X100=5400$必要。
これは株価が例えば、50$に下がってPutの買い手が、「54$で売る権利」を履行したら、売り手は、義務として、54$x100= 5400$払って株を買う必要がある。
そのために5400$必要。
生徒: あれっ、じゃあ損するじゃない?
この時点で、その株をすぐ売ったら損をする。損しない為には株をうらず、次はCall Optionを50$以上で売って、毎週プレミアを稼ぎ続ければ良い。株が長期に下がらない限りどこかで上昇すれば、たとえば、50$になった時に、そのプレミアの累積分が特になっている。
生徒: だけどその時点で処分して、良い株に乗り換えた方がいいんじゃないの?
そういう考え方もある。ただ、株に将来性があるのなら、その時点で損切しないで継続する方が結果がいい事を、自分の1年間の取引履歴と、それから40年分のバックテスト+モンテカルロシミュレーションのデータが裏付けている。
ところで年利は?
生徒: 0.96/54 /4 * 5 = 0222222 で一週間分。1年は52週なので、
0.22222*52*100=115% なんだか、沢山やる事ありすぎて大変...
確かに株に比べて検討する事は多い。株でやる事に追加して、行使価格を選ぶ、年利を計算する、HVを確認するなど...でもなれれば中学受験の算数よりは簡単だよ。
次はQSの例。QSの株価は114.77$。年利計算して。
生徒: 14.05/114.77 /4 * 5 = 0.15
0.15*52 * 100= 795%
スゲー。
日本の金利が安すぎて、年利など気にすることがないと思うけど、HVが違うとこんなに年利が違う。この年利がどこからくるかというと、時間的な価値以上にQSが人気化して買い手が沢山集まり、つまり期待が増えて、価格が割高になっていることによる。
じゃあ、今回は、1週間(4日)期限の物で計算したけど、これがもっと期間の長いものだったらどうなるかな?
例として、一年物の12/17/2021のATM Putで計算してみよう。
生徒: 74.80$も! ・・・・こっちの方が絶対得じゃん
じゃあ計算して。
生徒:
74.80/114.77 = 0.65 = 65%
期間のファクターが入ってない。1年よりちょっと切るので、11.5カ月で計算して。
生徒: 65 / 11.5 * 12 =68%
どっちの利回りがいい?
生徒: 1週間。
なぜかというと、時間的価値は直近で一番下がるんだったよね。そのため日数当たりの変化率が大きい、つまり儲かりやすいんだ。
この図をもう一度頭にいれてね。常にイメージできるように。
生徒: ただ、やっぱり株価下がったら損じゃね?
また、それを... その通りだけど、変化がなかった場合は得になるよね。それから損するとしてもプレミアも入るので損する割合も小さいよね。つまり有利な取引という事。
また、損がいやな場合、例えばこのQSの場合は、急に下がるリスクもあったので、例えば、80$のPutを買う事でリスク限定できる。
例として、100$ Put売りで10$もらい、80$Put買いで2$払う。合計8$の儲け。
生徒: それは応用編だね。でもその説明はまた今度。(疲れた)
そして利益をすべて共通の尺度の年利で表す事が重要。それにより、より良い対象が見つかる。
銘柄選定の考え方
次に銘柄選定の考え方について。選ぶ場合は、口コミなのでテキトーに選ぶと痛い目に会う。そのため、以下の指針が良い。
- 予算内で売買できる株。予算が2000$なので、2000/100=20$以下の株。
- 自分がその株についてずっとフォローして調査したいと思える株
- 自分がその株について他の人よりもより良く把握できると思える株
- 年利が高い(HV/IV)が高い株
つまり自分が情熱をかけれるか?
時間が限られたため、もし短時間で発見できればそれで良いし、そうでなければ、とりあえず GPROは8$なので、練習用の候補になる。動画編集すきだろう?
生徒: (いろいろPC系の株を5,6調査するが、価格が高いか、米国に上場していない、あるいはオプション取引をしてないで本日は諦め。) とりあえず、GPROで始めて見る。このGPROの手振れ補正ってすごいな(Youtube比較動画見ながら)
生徒: 今日の説明で全貌がすっかり分かったと思う。
良い株を選ぶことにすべてがかかっているよ。実際に、株価とオプション価格の変動をその日や次の日モニターしていくと、今まで説明した事がすべてわかるようになる。さっそく明日からやって覚えて行こう。
20$なので、2lot以上は買えるが、まずは1lotで少しずつやる。のこりの12$で他の株を入れることも可能。
まとめ
株やFXでショートをしてない生徒を前提に、米株オプション取引のCash Secured Putに関する総まとめと、銘柄選定の考え方をまとめました。
これでオプション売買デビューです。あとは慣れながら、良くモニターし改善を続けます。