米国株の指数を利用したカバードコールとCash Secured PUT戦略。特にSP500のETFである、SPYを利用した物をする人が増えていると思います。
私もそうですが、Kappaさんより影響を受けました。次に、「カプランのオプション売買戦略」という図書を調べ、発想の方法や種々の幅広い戦略を見て応用の試行錯誤をしてきました。
SP500を購入するのは確か10年以上前にバフェットが推奨して来た事です。長期に渡り右肩上がりに価格が増えるという理由です。よってそれを前提にしたオプション戦略も、その前提において効力を発します。
ただ、リーマンショック後のように数年程度、株価指数、SP500といえ低迷する時期があります。
私自身が、資産の額を増やすフェーズではなく、毎月の、というより、毎週のキャッシュ収入に重きを置いてますので、数年程度低迷する可能性については対応戦略を考えてテストしましたので、その内容をご紹介します。
サマリー、対象者、毎週/毎月のキャッシュ収入をなぜ重視するか、カバードコール/CSPが機能する環境とリスク、カバードコールのカウンター戦術、参考資料について説明します。
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サマリー
対象は、米株指数 ETFや、レバレッジの効いたより低価格で資金量少ないSPXLか、値段の動きが自分にとって予想しやすい米個別株です。
カバードコール/Cash Secured PUT(CSP)に対してのカウンター戦略は、
・CSPのPUT売りに対しては、CALL売り
・カバードコール(現物株+Call売り)に対しては、カウンターカバードコール(株のショートボジションにPUT売り)
です!
この記事の対象者
オプションについての基本的な知識を有して、できればオプションの買いを実施してきた経験が多少ある方です。
カバードコールやCash Secured PUT(以下、CSPという)という言葉ややり方をある程度理解されている方。できれば実践されている方が好ましいです。
カバードコールやCSPはオプションの売り戦略です。よって、時間的価値の減少を元にしたオプション価格の低下という必須事象を理解している方が望ましいです。
また、その戦略を実施できるのは、IB証券のみで、Firstradeではできません。サクソバンクも使い勝手が悪いので利用していません。少しだけお金(月10~30$? 低すぎて気にしてません。)かかりますが、使い勝手はIBが断然に良いです。
時間的価値等の基礎については以下の記事にまとめています。
毎週/毎月のキャッシュ収入をなぜ重視するか
なぜ、カバードコールのカウンター戦略を考える必要があるかといえば、もし数年程度株価指数が下落トレンドになった時に、キャッシュ収入が減っていくからです。
資産形成期で数年厳しい時期があっても数十年レベルでの投資、というのなら、毎週/毎月のキャッシュ収入というのは実業で稼げているのなら何の心配もないと思います。
でも私の場合は、会社を早期退職して、自分の会社を興してはいますが、自由に使えるお金をプラス@で欲しい為、キャッシュ収入をとても重視しています。毎週キャッシュ収入があり出金もドル送金が数日ですぐ出来るため、キャッシュの一部を使いたい物に使って満足度が高い生活を目指してます。
逆に言えば、起業した会社の収入よりオプション収入の方が時間帯効果においても100倍以上稼げる体感です。実際は会社で顧客やマーケットと向き合う中での満足感や成長も大きいと思いますが、デジタルの取引を世界でできるオプション収入も少ない時間でできて、また自由に戦略・戦術検討できるのでとても魅力です。
株価指数が下落トレンドになった時のキャッシュ収入が減っていく事象
例えば、Cash Secured Putで、SPYを450$で売り建てて、価格が満期に446$だったら、450$ x 100(100はオプションの1lotで100倍です)=45000$でSPYを450$で買う事になります。
その後株価が下落トレンドになり長期に価格が下がり、350$になったら、含み損が100(450-350)x100で1万ドルになります。この450$の取得価格に対してカバードコールをかけてCall売りをしますが、450$以下の価格で売ると総合的に損失の可能性があります。
例えば価格が350$だと350$で売り建てるとプレミア収入は、一か月満期のオプションで例として5$x100=500$、約5.5万円です。この額だと、例えば、年金が少し足りないと思っても4.5万ドル、つまり500万円位あれば足しになりますね。1000万円原資があれば11万円。ちょっと安心できる額ではないでしょうか?
ところがここで売ると、450$で買っていたので、450-350=100$x100=1万ドルの価格損約110万円になる損失に、5.5万円の利益で、合計約104.5万円の損失になるのです。
それを回避するには、将来450$に戻る事を信じて、450$で絶対損しないように売る、という戦術がありますが、その場合のプレミアムは、450<->350の価格差が大きくて変動が見込めない為、たったの0.01$=1$/一か月です。
つまり一月約110円のキャッシュ収入なのでなんの得にもなりません。もちろん、損失若干覚悟で368$には戻さないだろうとの見込みだと、やっと
0.1$=110円/一か月です。しかしもし一か月で株価が急騰して368$になったら、450-368=82x100=8200$,約90万円の損失確定です。
結構苦しい世界に数年入ることになります。
カバードコール/CSPが機能する環境とリスク
カプランの図書にも明記されてますが、カバードコールとCSP(Cash Secured Put)は、株価がニュートラルか上がっていく相場でのみ有効な戦略です。
よってSPYが数年低迷すると有効でなく含み損を含めて損失額はどんどんと大きくなるリスクがあります。
その含み損や、毎月の利益が少なくても耐えられれば、そのままで構わないと思います。
ただ、下落トレンドで有効でない手法を用いるのは私はやりたくありません。可能なら、ニュートラル相場から下落トレンド入りした早い時点で、この戦略とは逆の戦略がないかと思慮するようになりました。
それは、2021/9月の時点での米国相場においては金利が上がっていく、あるいはその予兆の局面だと認識しています。但し、自分の場合は、利回りが個別株の方が指数より良いため、指数にある程度連動しながらも個別株の要素が大きいです。
個別株の価格変動は指数より変動が大きくなるものが多いです。
カバードコールのカウンター戦術
カバードコール/CSPは価格がニュートラル相場か上昇で利益の出るポピュラーな方法。その逆はニュートラルか下落相場で利益の出る方法。
ここ一か月程度考え、実証してきましたのでその方法を以下に期します。
・CSPのPUT売りに対しては、CALL売り
・カバードコール(現物株+Call売り)に対しては、カウンターカバードコール(株のショートボジションにPUT売り)
です。
Cash Secured Putのカウンター戦略
CSPは、PUTをATMの付近のOTM(Out of the Money)で売る戦略でしたね。カバードコール戦略に入る前にまず小資金で始められる最初のステップです。そしてもし権利行使価格を下回ったら、PUT売りを買った人からその行使価格の割高な株を買い取る必要がありますね。
その逆は、CALLをATMの付近で売る戦略です。
100$の価格の株があったら、105$でCall売りをしかけ、満期に98$~102$のニュートラル相場的な価格になっても、下落して94$になってもCall売りのプレミアムがそのまま稼げて権利失効してポジション持たずに終わりです。
もしも下落トレンドなのにたまたま上昇して106$になったとします。そうすると、105$でCallを買った人に105$で所有してない株を売り払うので、105$の取得価格でその株をショートした事になります。
株価が下落トレンドなら価格は、また100$以下となっていきます。そうすると、例えば98$になったとしたら 105-98=7$ x 100 =700$、約7.7万円の利益です。
カバードコールのカウンター戦略
株やETF指数のショートポジションを持ってしまったら、さらにどう下落トレンド相場で稼いでいくか、それはPUT売りを仕掛けることです。これはカバードコールのCall売りとは真逆の戦略となります。
PUT売りをATM付近で仕掛けることになりプレミアム収入となります。
例えば、105$のショートポジションを持ったとして、今株価は、106$、そこで104$のPUT売りを仕掛けて
プレミアムが1$だっとします。満期までの株価が104より上の場合は、そのプレミアムがそのままもらえて105$のショートポジションを持ったままです。
そして103$や98$に価格が落ちて満期を迎えたら
105-104=1$x100
プレミアム1$x100
合計200$の利益なりまます。この場合、104$で株を売っている権利を、PUTをもつ所有者、つまり売りたい人にそのまま渡す事になりますので、利益が出てまたノーポジションになります。
ここまで来たら、またCALL売りをしかけていきます。
この流れは、CSP->カバードコール->CSPとまったく同様の流れで、違いは下落相場の時に利益を上げる戦略という事です。
参考資料
Kappaさん含む図書については以下の記事で紹介しました。
またSPYを用いた実例については、Kappaさんがブログで以下のように公開されています。
http://kappaoption.blogspot.com/
まとめ
カバードコールとCSP戦略の、相場下落トレンド時期の危険性と、定期的なキャッシュ収入を売るためのカウンター戦略について説明しました。
今は、SPYと正反対で3倍レバのSPXUとJUMIAでテスト中です。カバードコールとCSP同様機能している事を確認していますし、低資金で実施できています。
このあたりの実例についても今後紹介したいと思います。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。投資は自己判断のもと、自己責任でお願いいたします。
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