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米国株オプション取引手法

株価上昇か大きな下落でも利益の保険~片側リバースレシオスプレッド

株価が随分高くなり、決算も近づき、もし決算が不発なら、大きく下落しそう、でも逆に期待以上ならさらに高騰しそう。

そういう状況で、適用できる戦術~片側リバースレシオスプレッドについて説明します。

もともと、リバースレシオスプレッドは、株価がイベント等において上下に大きく動きそうな時にしかける戦術です。上方向はCall, 下方向はPutです。

これは何回か使いましたが、あまり戦績は良くなかったです。また、売買するポジションが4つもあるので煩雑です。

そこで下方向に特化して、PUTのみ利用するものを、片側リバースレシオスプレッド と自称しました。何度か利用しましたが、割と使い勝手良いです。

特に、下落保険をかけたのに、株価が同じか上昇でも利益が出る所が嬉しいです。なかなか美味しそうな戦術でしょ!

 

サマリー、決算前の状況認識、実施例、注意点について説明します。

 

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サマリー

例として、日本時間 2024/2/22 AM7:00 決算予定の$NVDAを例にします。

仕掛け時は、オプションを仕込むのは決算前の日か、その一日前です。オプションテーブルを見て、有利な条件かどうかを見て判断します。

具体的には、直前の株価とその時のオプションテーブルで変わりますが、例として注文は、一番満期の近いオプションを選んで、

 

株価721$の時、

オプション 売り/買い lot プレミアム 合計プレミアム
720PUT 売り 1 14.15 14.15
700PUT 買い 2 6.6 13.2
0.95(14.15-13.2)

後は、決算通過した後に、時間外取引で株価は大きく動いても、オプションは、時間外では取引できません。利益が出たら、翌日か、それ以降に、短期トレンドを見極めて決済します。

株価上昇の場合は何もせず、これらのオプションは失効して、0.95x100=95$の利益で終わりです。少しでもプレミアム回収するのなら、700CALLは安値でも売った方がいいです。

株価が大きく下落した場合は、例えば、650$まで下落し、満期の時刻に近くて時間的価値がほぼゼロだとすると、

720PUTは、70$に、700PUTは、50x2=100$のプレミアになります。差し引き(100-70)*100=3000$の利益です。

株価が中途半端な下落の場合損失になります。

満期時701$の下落なら、同様な計算をすると、

720PUTは、19$。700PUTはゼロです。この時、オプションを反対売買しなければ、現物株がアサインされて入手になります。

そのコストは、720-14.15=705.85$です。この程度の下落なら、この価格で現物株を入手するか、資金事情で、満期前に反対売買して損切するかは

選択肢となります。

NVDAの株が追加で欲しいのなら、なかなかいい戦術ではないかと評価してます。

 

決算前の状況認識

NVIDIAを例に、取引前の状況認識をします。2/12時点です。まず、NVIDIA含め、ai関連の半導体株が好調で、相場が過熱してきてます。

好決算だった関連銘柄は高騰してきてます。かなりブームの感じです。

NVIDIAのチャートを見ると、かなり勢いがあり、RSIは、82もあります。決算前に少し売られるか否か、売られるとPUTオプションの価格も高くなるので、仕掛けるタイミングをオプションテーブルを見て検討する必要があります。決算前に、少し売られ続けるのなら早めのしかけもいいかもしれませんが、通常、オプション満期から遠いと有利なプレミアムの条件にもならないので、プレミアム次第です。

 

Nvidia - 株価上昇か大きな下落でも利益の保険~片側リバースレシオスプレッド

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実施例

実際、2/12時点の2/16満期のオプションテーブルを使って検討してみます。残存期間4日ですが、NVIDIAの決算は、2/21米国時間なので、2/23満期オプション残存日数は2日です。

残存日数が少ない方が有利なプレミアム条件になる経験です。

ただ、オプションテーブルのプレミアムを見て、次週の3/1満期オプションもいけると思えば、それを選択するのも有りです。それは2/23満期と条件がほぼ一緒の場合は、満期日数が長い分、ボラティリティを取れるということです。

$NVDA の2/9終値 721$

nvda option table1 - 株価上昇か大きな下落でも利益の保険~片側リバースレシオスプレッド

 

 

 

 

 

 

 

赤丸の720PUTと700PUTを使って以下の取引をします。

オプション 売り/買い lot プレミアム 合計プレミアム
720PUT 売り 1 14.15 14.15
700PUT 買い 2 6.6 13.2
0.95(14.15-13.2)

実際は、決算直前に取引すると条件は良くなるはずです。例えば、705PUT買いでも利益がでるなど。決算不発だと、700以下にすぐ暴落する事は容易に想像できますね。

サマリに記述の部分を少し補足して説明します。(=>)

決算通過した後に、時間外取引で株価は大きく動いても、オプションは、時間外では取引できません。利益が出たら、翌日か、それ以降に、短期トレンドを見極めて決済します。

=> 例えば、大きく下げる場合で、それが一日位なら、翌日決済しますが、さらに恐怖を呼び、来週も下げそうなら、PUT OPTIONを権利履行し、$NVDAのショートポジションを持ちます。現物株変換が出来たら、IB証券なら時間外で売買もできます。

株価上昇の場合は何もせず、これらのオプションは失効して、0.95x100=95$の利益で終わりです。少しでもプレミアム回収するのなら、700CALLは安値でも売った方がいいです。

=>700 PUTは、時間的価値減少によるプレミアム低下を少しでも防ぐため、翌日場が開いたら、即売りです。少しでもプレミアムの回収です。

 

株価が大きく下落した場合は、例えば、650$まで下落し、満期の時刻に近くて時間的価値がほぼゼロだとすると、

720PUTは、70$に、700PUTは、50x2=100$のプレミアになります。差し引き(100-70)*100=3000$の利益です。

=> オプションで決済すると、雑所得になり税率高いです。よって700PUTは、権利行使して株に転換し、つまり株のショートポジションにして利確すると株の利益になるので、税率的にお得です。

 

株価が中途半端な下落の場合損失になります。

満期時701$の下落なら、同様な計算をすると、

720PUTは、19$。700PUTはゼロです。この時、オプションを反対売買しなければ、現物株がアサインされて入手になります。

そのコストは、720-14.15=705.85$です。この程度の下落なら、この価格で現物株を入手するか、資金事情で、満期前に反対売買して損切するかは

選択肢となります。

NVDAの株が追加で欲しいのなら、なかなかいい戦術ではないかと評価してます。

=> 701$位の下落なら、私の場合は、現物株を入手します。

なぜなら、

GSは目標株価800にしたと聞くけど自分はPERに成長率を加味したPEGを一つの指標にしてきた。 PEG で 1以下割安株価は693/0.68=1019 ギリギリ買える2以下株価は=2038 

1000$位は多少の凸凹あっても行くのではと思ってるからです。

(本当になるかはわからないし、そういう動きでなければ、即損切なのでご自身で判断下さい)

 

 

注意点

決算直前まで、株価とプレミアムがどう動くかは気にする必要があります。

株価が決算前に事前に下落し、オプションテーブルが上記のような有利な条件にならない場合、例えば合計プレミアム利益が680PUTの場合の時などは利益の想定も小さくなるので、取り組みは躊躇します、少なくとも複数ロットをかけられないです。

なお、もしNVDAの決算がコケたら、半導体株関連やNASDAQも大きく下落していく可能性があります。そのため、自分は、NASDAQのベア3倍の $SQQQ のOTM CALL オプションを多めに買う戦術も合わせてします。

 

まとめ

株の重要イベントである決算イベントがあり、なお、加熱している株の下落対策として利益をとる、片側リバースレシオスプレッドについて説明しました。

オプションは、買いと売り、満期など組み合わせて色んな戦術が取れます。この戦術は最近気に入っている戦術ですが、お役に立てれば幸いです。わかりにくいところがもしあれば、加筆しますので、コメント下さい。

 

 

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。投資は自己判断のもと、自己責任でお願いいたします。

参考図書

米国株オプションを実践する上で、参考にした図書は以下です。いずれも良著です。

(1) カバードコールやPUT OPTION売り、LEAPS CALL買いなどをデータとともに説明した、入門書としては適切な図書です。優秀なお医者さんが書いた本です。本人は、毎月の実績もネットに公開しているので参考になります。

http://kappaoption.blogspot.com/

 

 

 

(2) 次は、オプション取引で有名で能力のある、カプランの図書です。ここにKappaさん以上の各種戦術とその考え方が記述してあります。図書を読み進めるのは容易ではありませんが、そこで述べられている事は何度か読んだり実践すると分かってきてます。
本人は、数学が優秀で、どんな難題でも解き、ポーカができるという理由である大学を選び、また弁護士になりましたが、結局、オプショントレードに巡り合い、のめり込んでいくというとてもユニークな経歴の持ち主です。

 

 

 

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