日本株指数オプションは10年程度前から実施(現在は勝率悪いため撤退)、米株オプションは2019年10月から初めて早二年が経過しました。そもそもセミリタイア前から毎月のキャッシュ収入を重視した資産運用をしてきましたが、米株オプションは時間的価値の減少を味方につけることができ、勝率、定期収入とも最高の投資商品だと認識しています。
そんな中でも、過去一年を振りえって、こんな運用をすると良くないとわかってきたので、その経験談を述べます。痛い思いをしましたので同様な事は絶対起こしたくないと体で認識していますが、同じような痛い経験をもししそうだったら、是非この記事を思い出してください。
サマリ、対象者、良くなかったトレード例、回避策、戦術変更例について順次説明します。
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失敗を防ぐオプション取引サマリー
オプション取引で毎週や毎月定期収入を得ていくメインの戦術は以下です。
- ニュートラルまたは上げ相場でのCash Secured PUT(CSP),カバードコール
- ニュートラルまたは下げ相場での上記のカウンター戦術
ここで人気が出て高値になっていく株を追いかけながら毎週Cash Secured PUTを行うと上げている時は利益は大きいですが、どこかでピークアウトして、下落すると、その下落時点のCSPのPUT Option売りが、株価下落により、現物株を高値に近い所で購入することになり、その後も下落トレンドが続くと、その株の含み損が広がり、運用が厳しくなります。
利益ばかりを追い求めるのでなく、資産も極力減らさない運用も重要と考えます。
それを防ぐためには、
a) 高値付近になったら、下落を想定した運用にする。
b)下落が始まったら、カウンター戦術に切り替える。
重要な事は自分のまちがっているかもしれない楽観的な信仰ではなく、相場のトレンドに合わせることです。 Trend is friendです。
上記の場合以外にも相場が下げトレンドから上げトレンドになりそう、つまりトレンド転換しそうな時に対応する方法です。
オプション運用が単に株をロングする、ショートするよりも有利なところは、売り戦術を利用すると、時間的価値の減少という特性を利用することができ、その分あてがはずれても損失がその分抑えられる所です。
この記事の対象者
米株のオプション取引について興味のある方
実際、オプション取引を始められる方
本ブログのオプション取引の基本戦術、CSPやカバードコールを理解している方。
なお、オプション取引を始めたばかりの人はプレミアの変化などまだ体感してない事も多いと思いますので実践されていく中で相場が反転するのではないかと思った時にこの記事を参考にして頂ければと思います。
取引始めたばっかりの人は毎日ログインして、プレミアがいくら変化して一日の利益がどう変化したかを現物株の動きとともに見ると、色々発見もあると思います。
高値掴み~良くなかったトレード例
高値掴みをしてしまった銘柄は、
QS, SPCE, FCX, TSLA,ROKUとありました。MRNAもしかけましたが、カウンター戦術に切り替えることができました。これらのうち、FCX, TSLAは元の株価付近に無事戻りましたが他の銘柄は戻ってません。
例えば、SPCEの株価がどうだったか。
6月下旬に噴き上げて人気化していき、60$近辺でピークをつけて下落トレンドになりました💦
ここで注意は、7月上旬に戻すようにみせかけて結局下落していきました。
ここで例えば、58$でCSPをかけていたら、58$以下でオプション満期を迎えると
58$で100株買いつけることになります。
2021/11/15時点で株価が19$ですので1lot 100株で3900$の含み損となってしまいます。複数ロットもっていると、その分含み損も大きくなります。この含み損の解消には、株価が58$に戻るまでまたないといけません。
実際、この時は取得平均株価を下げて反発を期待していたため、取得平均株価は、53$位に下がりましたが、その後も株価が低迷したため含み損は解消されません。
高値買いをした後の対応としては、じっと上がるまで待つ方法もありますが、
1)ナンピン買いのように株価が下がったら、CSPを続けて取得平均株価を下げて株価復帰が早くなるのを目指す
2)資金を有効活用してより利益が毎週出る銘柄に乗り換える
1)の方法は、株価が下がり続けると損失が増えてかつ利用できる資金も減るのであまり望ましくありません。より有望でトレンドの出ている銘柄に乗り換えた方がいいです。現在は2)の方法をとってますが、他の銘柄で手に入れたキャッシュ収入を利用してその週の利益の範囲で少しずつ損切しています。そうすることにより、ポジションが減って、資金による買付力が増えていきます。
IB証券の場合は、借り入れて、証拠金をもとに、資金以上の買い付けができますが、注意です。その場合予想がはずれると損失がより大きくなりますし、借り入れの率が多すぎると出金できなくなります。よって、借り入れをしないで済む範囲でなるべく運用しています。
利益を求めすぎるとその分のリスクも増えるので注意です。
高値掴みを防ぐ回避策
高値掴みを防げば、
将来もし相場が下落し続けたときの含み損を回避できる。
という魅力的なメリットがあります。高値掴みをした後に、損切というのはなかなかしにくいです。なぜなら、その時はより高くなると思っているから結果的に買ったはずだからです。
それではどうするかだすが、ピークらしい高値をどう判断するかですが、私は
RSIとMACDのパターンを見ています。それとチャートのパターンと出来高です。
以下、参考までに高値つかみをした銘柄のチャートを整理を含めて紹介します。赤丸の箇所が判断材料になります。そのうち、最近MRNAは株価上げていく中でもかなりの利益を上げ、トレンド転換をストーリ的にも予想し、高値掴み防いでカウンター戦術に切り替えできた成功例です。
SPCE
QS
ROKU
以上の例をまとめると、
RSIが70から80以上と高く、出来高が急増した後にピークをつけて下がっている。
MRNA
MRNAの切り替えの成功例の場合ですが実際に切り替えたのは10月上旬の緑〇の箇所で赤丸のRSIピークの場所ではありません。赤丸の箇所で戦術切り替えても、その後反発していたのでRSI類だげての前述の判断だけではまずそうです。
ではなぜモデルナは下げトレンド判定したかといえば、まず毎週末か急な株価の変動がある日の場合には米国のYAHOO FINANCEのニュースをチェックするようにしていて、どの程度のニュースでどの程度の株価が動くか観察するようにしています。ここは重要です。
https://finance.yahoo.com/quote/MRNA?p=MRNA
そしてモデルナは決算が近づいてきたので、打倒株価を今後5年の成長率より、自分として投資する尺度のPEGをもとに計算してみました。その中で発見しましたが、5年成長率が16.8%となっており、将来の成長をもとに、現在の高い株価も正当化できると思っていましたが、来年はワクチン打つのは年二回でなく、せいぜいブースターショット一回で売り上げ減、そしてライバルメーカが出てくることも表面化すると予想しました。
よって戦術変更を遅れましたがしました。これが結果的に良かったです。ただ、CALL売りを仕掛けるときに反発もあると考えて余裕をもって権利行使価格は少なくてもATMの4TICK上など幅を広めに持って注文を出しました。
ただ、プレミアが高めの銘柄であったので収入良く良かったです。
回避策
今までの観察をもとに回避策をまとめます。
RSIが歴史的に高いレンジ、つまり70を超えてきたら警戒する。
警戒した後の行動としては、
- ATM近くの高いプレミアを求めない
- 下落を想定して少し幅をもってCSPを継続
- 満期は一週間物。そうするとトレンド変化が週内で起こっても時間的価値が急減しているので反対売買しても損失をより抑えられる。
- そしてトレンド変化してPUTの価格まで落ちると想定したら、CSPを反対売買して損切するとともに、その損をカバーできなおかつ幅をもったCALL売りをしかけ総合的に利益を確保する。
- なお、値さがりが限定的と想定できたらCALL売りでなく、価格をより下げたCSPを再度実施という方法もあり。
- 翌週は、下げトレンドが確認できたら、さらにCALL売りをしかける。トレンドが強くなく反発する可能性もあれば、幅をより十分に持って反発しても権利行使されない権利行使価格で発注する。ニュートラル相場になっていてもカウンター戦術なら利益を上げられる。このトレンドがあまりはっきりしてない期間はプレミア収入は抑え目で我慢する。
ニュートラル相場で権利行使価格にとどかない範囲なら、CSPでもカウンター戦術でも両方利益が出ます。よりどちらの可能性が高そうか、相場を観察し、またニュース類も確認すべきです。
また新しいニュースがでたら一撃で変化することもあり得ますので要注意です。特に決算日があると株価が大きく想定しない方向に動く事もあるので、前日に一旦利確し、決算確認後に再エントリした方が良いです。
特にグロース株の場合は、決算が良くても、サプライズ的な決算でないとなかなか株価は翌日以降上がらないこともあります。
戦術変更例
以下のようなイメージです。
プレミアが高く、株価が今後高くなりそうな銘柄の発掘
CSPでエントリ -> 株価上昇 -> 翌週もCSP> 株価上昇 -> 翌週もCSP> 株価上昇 -> 翌週もCSP -> 株価上昇 -> 翌週もCSP -> 警戒レベルに到達-> 翌週幅をもってCSP ->トレンド変換の模様 -> CSP途中で処分、損切、そしてカウンター戦術のCALL売り -> 翌週もCALL売り
なお、応用編としてある株価~ある株価の間の株価に週末落ち着くと
想定できた場合はサンドイッチのように上限株価でCALL売り、加減株価でPUT売りをしかけることもあります。その方法によって損失回避や利益増大を目論んでいます。最初からその両ポジションをとるのでなく、途中で合わせ技として追加利用してます。
そうすると株の上昇についても下落についても相殺的にリスクがヘッジできます。
カウンター戦術についての紹介記事は以下です。
まとめ
毎週の高いキャッシュ収入目指した米株オプション取引で陥りがちな失敗例とその対策を説明しました。
対策については、トレンド変換時の対応として理解すればいいと思います。この方法は、逆に下げトレンドから上げトレンドになった場合も適用できます。つまりCALL売りからPUT売りへの転換です。
変化によりタイムリに対応し、損失をなるべく限定するために、満期は一週間物がいい模様です。また、現物株のポジションをなるべく高値で持たないことが重要です。高値でないところで入手した株で過熱してない場合はそこまで気にする必要はありません。
トレンド変換時点は一瞬ですが、トレンド形成後の期間は一般的に長いです。よってトレンド変換時期には利益よりも損失回避に注目するのがいいと思います。
含み損という隠れた損失を少しでも出さずに良いキャッシュ収入を毎週手に入れることをお祈りしております。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。投資は自己判断のもと、自己責任でお願いいたします。
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