復習
前回分の、MACDとRSIを利用した買いと売りのポイント判断は何だったでしょうか?
前回でチャートに基づくトレンド分析について説明してきました。
今日はトレンド分析より重要と私が考えている、「株価の将来を予測する力について」説明します。
この方法は、株だけでなく、実際のビジネスにも適用できる題材になると思います。
重要なのは1)観察力の強化、2)相場全体の理解、と考えてます。
観察力の強化については、観察力が強い人を知ると良いです。
観察力の強い人
自分の場合は数十年かけて株式投資の本を各種読み漁りマネー雑誌も読みました。
いろいろな投資手法も試して、売買判断のソフトも使いました。
相場が右肩上がりが続いている場合は、勝率が高い方法は、色々とあると思います。ただ、本当に強いのは、大きな暴落が起きても、稼げる人です。
自分の場合は、1990年代のバブル崩壊と2000年のITバブル崩壊で飲み込まれてしまいました。よってそれを今後は防ぎたい思いました。
試行錯誤により有益だった情報は、相場が大暴落した時にも大きく稼げ、またその手法を図書で認知させ、また社会的評価を受けている人からの学び情報です。その条件に合致した人は、以下の3人の方です。
1) ウォーレン・バフェット
2)藤巻健史
3)元谷外志雄
1)は世界で皆知る存在。
2)は、バブル最盛期に実際の不動産価格を定点観測し、相場と逆にポジションを大きく張って莫大な利益を稼いだ方。
3)は、藤巻氏より2年前に、収益還元法を米国で学び、不動産価格がバブルのピークに向けて上がっている時に社内の反対を物ともせず不動産の売りを行った人物でアパグループ代表の方。
現物に着目
1)観察力の強化については、「現物」に着目すると良いです。現物(製品、サービス)を見て、使い、評価してファンになるレベルか?と自分に問うてみます。
バフェットは、自分の好きなコカコーラや家具の会社など実際が気に入り、将来性がある会社を好んで投資しました。
ある株に投資する事はその会社のビジネスに投資する事です。
その会社についてプロのアナリスト以上に現物、サービスを利用して観察すると、同じ情報でも、読み取り方がより良くなります。
サービスを使うだけでなく、何かの指標を定点観測して異常がないか、そもそもその数値が妥当かを理論的に捉えてみる、というのも重要だと思います。勉強は尽きません。
私は、自分の仮想ライバルはプロのアナリストと想定してます。
そのためにはアナリストのように恐らく数百という銘柄を追っかける必要はないです。
せいぜい3,4に絞って集中的にアナリスト以上に観察すべきと考えてます。
また、ネットだけの情報収集は誰でも手に入るので弱いと考えてます。
よって現物を使ったり良く観察したり、他の参考指標を観測したり、理論的な裏付けを考えていく、という自分なりの把握とその日々の訓練により能力の向上が重要だと思います。
勿論、株によっては現物や、サービスが利用できない事もあると思います。そういう時にはユーザの声や、関連情報をより多くとるようにするといいと思います。
つまり、自分なりの売買の優位性を持つことが重要ではないでしょうか? これは、オプション売買でもカプランが示している事です。
アナリストの予想
では、アナリストが株価をどう予想しているか?
それについては、観察力の二番目としてニュースの把握・解釈に絡めて説明します。
ウォール街では、米国株で有名な広瀬氏情報によると、3ヵ月毎の決算で、a) EPSが期待以上か? b)売上が期待以上か? c)次期の会社決算予想発表*1が期待以上か、が全部そろった時に株価が上昇するとしています。
*1 こういう風になるだろうとの予測でガイダンスと呼ばれる。コロナなどで予想が困難な場合は、発表されないことも有る。これは、決算資料の本文を文章で読み込まないと出てこないことが多い。
実際株価を見るとほぼ当たっていると観測しています。
ただ、最近は、+20%以上の期待以上でないとなかなか株価あがらない事象も観察しています。
見方は、米国Yahoo financeで確認できます。
以下、アフリカのAmazonと言われるJMIAの例で説明しよう。
https://finance.yahoo.com/quote/JMIA?p=JMIA&.tsrc=fin-srch
まずは画面の右側です。
Earningを見ると、○の期待より、実際の●が良かった事がわかります。ただ、3つの指標すべて良い必要があるので、これだけでは判定できないです。
下側のFinancialsは、「Quarterly」を選択すると、売上のトレンドと利益のトレンドが分かります。
次に「Analysist」の箇所をクリックすると、アナリストの期待値が平均値で分かります。
Analystの数は3人、平均でEarnings(利益)は-0.55, Reveue(売上)は50.2m$. 又、過去の履歴で期待値と実績がわかります。
これを決算前に見て最新の現物観察データにより、次の決算がどうなるかの予想力が付きます。
もちろんすべてのデータを事前に見れる分けでもないので、完全に正しい予想ができるというよりは、売買の有意性を持った自分なりの予想力がつくということです。
決算発表前のニュースの取り方
次に決算発表前のニュースの取り方については、主に二つあり、一つは株価の変動が大きかった時に、何かニュースが出たと推察し、Yahoo finaceのニュース欄をチェックする方法です。
株価のチャートの表示の下方向にほぼ新しい順に表示されています。
記事をクリックして、日本語で読む場合は、右クリックでグーグル翻訳できます。
私の場合は、クイックに見る場合は、日本語の方が漢字を使用しているため読むスピードが速いのでそうしてますが、じっくり読みたい場合は英語原文で読んでいます。
もう一つの方法は、単純にその会社のIRサイトを覗いて調べること。
「銘柄名+IR」で検索ぎてます。例えば、「JUMIA IR」です。
そうすると、前の期のプレゼン資料が出てきました!
そこで上図のような線表を発見しました。
これを見るとロックダウンが終わっています。JUMIAはアマゾンのようなネット販売企業です。
つまりネットセールは前期のような勢いないと判断できたので決算1日前に売り抜けました。予想はあたり暴落しました。(その後、私にとって不明な理由で暴騰しました...)
何も英語資料をすべて英語で読む必要はないです。ざっとめくり、関係しそうな箇所のみ読み取れば良いです。
ある企業に詳しくなると、ちょっとしたニュースや決算のちょっとネガティブな箇所が(例:ユーザ増加率減少)などで株価が落ちた時に「これは過剰反応または本質の読み取りの勘違いであり、数日で株価は戻すな」など分かるようになります。
短期の株価の変動、戻しが予測できるようになる事は短期(1週間物)のオプションを扱う上では利回り向上の武器になります。
よってやはり銘柄を絞って、商品・サービスの理解とニュースの把握に基づく株価変動の特性を良く理解する事は重要です。
繰り返しですが、この株価変動の特性の理解は、短期でオプショントレードをする場合に有利になります。
以上が観察力を高める点です。
金融相場全体を眺める力
これは株式のみを売買している時には気づきませんでした。
米株(オプション)をやるうえでは、私は
1) 米国10年債金利
2) SP500とNASDAQ指数の相対変動
3) ゴールド
4)ドル円レート
5) 仮想通貨
を見ています。
以下サイト(世界の株価)などがさっと見る上では、便利です。
じっくりチャートで評価する場合は、Tradingviewを使っています。
特に重要なのは、米10年債金利。
ここで確認ですが、
)さて米10年債が買われ値段が高くなると金利はどうなるだろうか?(高くなる? 低くなる?)
2)米10年債はどういう時に買われ売られるだろうか?
=>
1) 低くなる
2) 金利が高くなって来た時に、株よりリスクの少ない債券を買う動きで買われる、逆もあり。あるいはコロナの時の相場ショックのようにすべてのリスク資産を売りたいときに売られる。
金利が上がっていけば、「リスクが高い株より、保険的に債券を持っておこう」という動きが出てきて、株価が上昇しにくく、下落してくる特性があるので要注意です。
ただ、その債券の買いにより値段があがり、金利が下がる事も観察できます。
これは、毎日、相場を見て、つまりダウの株価と米十年債金利などをみていると分かるようになってきます。
日本と違い米10年債は中銀が買ってないので、市場取引で市場の価格形成メカニズムが機能しています。(念のため、今の所と言っておきます)
債券の相場に何故着目するのが重要かというと、一般的に債券のトレーダは優秀という事があります。
中央銀行の政策を良く見て、取引されているので、市場としては、参加者も限られ、株式市場よりは、よりプロの市場である、と私は考えてます。
実際の債券価格の変動要因は、景気、株価、物価、為替、金融政策、海外要因や需給によって決まります。つまり株価だけでなく、いろいろな指標を参考に値決めされて行きます。
具体的には、以下の「世界の株価サイト」の赤丸の部分。米金利は1%以上になると株価にまずいかも、との話があります。
本当にそうか否かは日々市場を見ながら体験します。
ナスダックは-0.42%でSP500は-0.68%。つまりナスダックの方が少し強い。これは、なぜか? 最近までは、ナスダックは弱かった...それをこの相対的な差で読み取ると良いです。
ナスダックはハイテク株やデジタル銘柄が多いです。コロナが沈静化すると業績見込みが悪くなるので売られやすいです。逆にSP500は低金利環境があれば、全体的に伸びやすいです。
最近は、ワクチン開発のニュースがあっても、コロナの感染は米国で増えており、市場は、ナスダック銘柄の強みを対SP500に対して示していると解釈できます。
ゴールドは、株が下がった時に、価値の変わらない資産として買われます。ただ、ゴールド自身は付加価値は生まないです。仮想通貨も似たところがあります。
よって、株が下がり、ゴールド/仮想通貨が上がったら、資金が株からゴールド等に移っていると解釈します。
では、株も値段が下がり、米10年債もゴールドも仮想通貨も上がらなかったら、そのお金はどこにいったのか?
=>
それは、これらの資産を買うためには使われず、単に銀行の預金に戻っただけです。この預金はこらえ性がないらしくまた資産を買うために旅立つ....もともと投資をやっている人の資金ですので。
これらの相場の変化は、日々変わります。ただし、中期的にはトレンドを形成していきます。よって、日々観察して、相場全体の動きを理解するとより良いトレードができると考えます。
例えば、債券にお金が回帰して、株が売られやすい全体的にトレンドになり、かつその株も値下がりトレンドだったら、株の買いは少し待つなどの判断に利用するです。
まとめ
長くなりましたが、まとめると
1)株を絞りアナリストよりも観察力をつけるように努める。現物利用やニュースの精査と株価の変動の理解で、トレードの総合判断力をつける。
2)相場全体を見て株が全体的に買われやすい環境か否かを判断する。低金利と金融緩和だと買われやすい。
逆だといくらいい株でも不調あり。
基本的には上記視点は、これから説明する、オプションの短期投資のための、短期的な視点です。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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